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Kyoko Shimbun 2007.08.27 News


 【ゲーム紹介】DS「おとなのための政治入門」これは嘘ニュースです

 ――今、永田町でひそかに話題になっているゲームがある。

 参院のボスこと青木氏、政界を引退した野中氏、国民新党の亀井氏という大物政治家が知識と経験を集め、政界の深層までリアルに再現した「おとなのための政治入門」(DS)というソフトがまもなく発売されるというのである。大物政治家が監修を手がけるということで、政界の裏側が暴露されるのではないか、と多くの議員が戦々恐々としているらしい。

 そこで弊紙記者が、開発元の3Dパブリッシャー社を訪れ、例のソフトのことについて訪ねてみると、「もうマスターアップできそうなので、よければプレイしてみてください。」とのこと。サンプルロムを借りることができた。
 そこで弊紙では政治部を中心にした特別取材班を結成し、このソフトのテストプレイをしてみた。以下はそのレビューである。

○まずは地盤から

 まずは立候補予定の選挙区を選ぶところからスタート。主人公は、選挙に必要な、いわゆる「地盤・看板・かばん」が全くない状態からはじめることになる。そこで、まず選挙区での知名度を上げていくべく、選挙カーに乗って、サイコロの出た目のマスだけ進め、到着した場所で支持者の獲得を目指す。このあたりのシステムは「桃太郎電鉄」のようなものだ。
 それなりに知名度が上がってくると、テレビ出演などのイベントが起こり、さらに知名度上昇につながる。(取材班では、知名度10万人がノルマになっていた)。この過程で主人公には地盤だけでなく、看板、かばんも必要になってくる。有名になっていくにつれ、地元の土木関係者から談合や口利きを迫られることがたびたび起こり始める。秘書はここで引き受けないほうが良い、と助言をしてくるが、このゲームの監修者が監修者だけにここはおとなしく談合、口利きの手伝いをしたほうがよさそうだ。

○選挙モード突入

 知名度が規定数を超えると、いよいよ選挙モード突入になる。選挙カーを多数動員し、とにかく自分の名前を連呼する。講演会を開いてはステージ上で土下座。カード(後述)を使って有名人を後援者として招くなど、いわゆる「どぶ板選挙」をする。握手会などでは、7000人近くの人たちと握手をするのだが、実際に7000回、タッチパネルを延々と叩き続けるさまは、本物の選挙運動さながらだ。取材班の1人はこの握手会を選挙期間中3回、延べ28000人と握手をおこなって、本物の政治家と同じく腱鞘炎になってしまった。

○当選

 選挙結果はテレビのニュースで聞く。無事「当確」が出れば次のステージへ、落選した場合は再び地盤固めのすごろくに戻る。
 ただ、両者に共通しているイベントは「入党の誘い」である。当落関係なく2年目以降、さまざまな政党から勧誘を受ける。どこの党に所属するかはプレーヤーの自由だが、社民党、共産党は先がもう見えているので入らないほうが無難だろう。公明党も背後組織が不気味なのでおすすめできない。そのように考えれば、結局所属するなら、自民党か民主党が無難だろう。無所属を貫くのも一つの手であるが、開発者によるとここで入党しておくと、次回以降の選挙モードがかなり楽になるそうだ。また、実際のところ初出馬から当選するのはかなり難しいらしい。

○代議士生活

 そんなこんなで、無事選挙モードをクリアし終えると、代議士としての仕事が待っている。基本的な仕事は地元から寄せられる口利きや談合だが、中には料亭での会食を通じての資金援助、未公開株提供の申し出などがある。また、複数の事務所を持っている場合、脱税のために経費を二重計上することも可能だ。
 これらのイベントは、場合によっては法に触れているものもあるが、監修者が監修者だけに、これらの申し出はすべて「隠ぺい工作カード」を使って処理すればよいとのこと。その道のプロによる完全隠ぺいから顔に傷テープを貼ってマスコミの注意をそらす程度まで開きがあるが、非常に使い勝手のよいカードのようだ。

○カード

 ここで「カード」の説明をしなければならない。どこかの党に所属した議員は2ヶ月に1回カードがもらえる。主なものは次回以降の選挙期間中に使うもので、自民党に所属した場合は「小泉カード」「安倍カード」、民主党なら「管カード」「鳩山カード」のように応援演説をしてもらい、支持率を上げるカードが手に入ることがある。ただ、自民党の場合「森カード」、また民主党の場合、「真紀子カード」がもらえるが、毒舌・失言などで支持率を落とす可能性もある。ちなみに国民新党に所属した場合、「亀井カード」がもらえるが、このカードを使うと、本人がこのソフトのために再収録した亀井氏お得意の演歌が聞けるが、支持率は少し落ちる。
 その他にも、相手を妨害するために使う、「食中毒カード」(2日間休み)、「ひき逃げカード」(1週間休み)、「放火カード」(事務所が燃えて出馬断念)、「中傷ビラカード」(自分の運動員がこっそりビラをばら撒く)などがある。

○さいごに

 今回のテストプレイでは、2年目くらいまでしかできなかったが、開発元によると当選3〜4期目あたりから、総理大臣の座を巡る権力ゲーム、あるいは野党の場合は政権奪取を狙うゲーム展開になって楽しみが増していくという。マスコミを通したネガティブ・キャンペーンなどのイベントを無事にかいくぐることができるか、など、これくらいプレイを進めると、政治権力を握った者にしか分からない「知恵と経験」というものを感じ取れるようになり、「政治は限りなく黒い灰色」だという感じが分かってくるという。どこかのプロレス議員が作った政治クイズゲームとは格が違う。
 最終的に、総理の座に座るのか、キングメーカーになるのか、野党党首になるのか、疑惑の闇を残したまま自殺するのか。「政界で実際に起こりうることはすべて詰め込んだ」というのが開発者の弁だが、きっとこれでもまだまだ知られていない「政界の闇」があるのであろう。タイトルの「入門」には、そういう意味が秘められているように感じられた。

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